免疫力 と ビタミン はどのような関係性があるのでしょうか?ビタミンCを大量に注射するガンへの療法も効果がると聞きますが、実際はどのようなものでしょうか?

私たち人間に備わっている免疫能力には ガン に対する抵抗力があり、重要な役割をしていることが知られています。ガン細胞 に強烈にアタックするというものではなく、ストレスをためないようにしたり、免疫力を強くするようなものを食べたり、しっかり睡眠をとるなどといった、体のほうがより強くなるような生活をしていれば、 ガン が発生したとしても、免疫能力でその増殖を抑えることができるのです。

反対にストレスまみれの生活をしているとガンにも対抗できずに体は弱体化してしまいます。

免疫系というのは、体の中を絶えずパトロールして、ひとつひとつの細胞を調べ、ガン化してしまった悪い細胞を見つけだして破壊する警察のようなものだと考えられます。

免疫系のはたらきは、大きく分けて2つあります。第1段階のはたらきは、免疫グロブリンによるものです。

この免疫グロブリンは、よく「抗体」と呼ばれるものですが、体の中の正常な細胞と、外部から侵入してきた病原体やガン化した悪い細胞を見つけだして、免疫グロブリン自身がそれらと結びついて、破壊するマークをつけます。

そして、第2段階では、白血球の中の細胞が体の中をパトロールしながら、マークのつけられた悪いものを見つけ、マクロファージや好中球という菌を食べる細胞によって、攻撃し破壊します。

ビタミンC をたくさん摂ることで風邪やガンなどの予防に役立つことが知られていますが、血液中のビタミンC がじゅうぶんにあるとリンパ球のはたらきが活発になり、貪食細胞の食菌作用が強まります。

免疫力の方向から見ると、風邪もガンも同じ種類の病気だと考えられます。免疫力という体の中の防御能力が高いときには、風邪を上手にやり過ごしたり、ガンの増殖を抑え共存させたりする力を増すことができるのです。

つまり、免疫療法というのは、本来私たちの体の中に存在している食菌作用を強めていく中で、自然治癒力を増加させようという考え方です。

よく風邪をひく人や風邪をひいたらなかなか治らない人というのは、体の免疫力が異常に低下しているため、ちょっとした菌が入ってきた場合でも、食菌作用がうまくはたらかない状態です。病院では抗生物質を処方されたりしますが、それで一時的に細菌を殺すことができても、自分に備わった免疫力がそれによって損なわれてしまうことも忘れてはなりません。

体の免疫力というのは、東洋医学でいうところの生命力の強さそのものであり、ガンに対しての免疫力を高めるための生活法は、風邪の予防においても同じだと考えることができ、さらに、風邪をひかなくなる生活法というのは、すべての健康法につながると考えられます。

ただ、食事の面では、ビタミンC だけを摂っていれば良いというものではありません。食事全体の栄養のバランスや質も大切です。また、リンパ球のはたらきを活性化する食べものとして、リノール酸、ガンマリノレン酸、亜鉛 、ベータカロテン( ビタミンA )などの重要性も注目されています。