ビタミンの大切な役割 を紹介します。ビタミンはほかの栄養素の働きを円滑に進めるための、潤滑油のような働きをしているといっても過言ではないでしょう。
体の潤滑油の役割を果たす ビタミンの大切な役割
ビタミンは植物や動物によってつくられる自然の物質で、その働きは、一言で言えば、体の中で調節の役目をつとめるものです。
多くのビタミンは人工的に合成することも可能ですが、ほとんどは自然の食品から抽出されます。たとえば、ビタミンAは、魚の肝油から、ビタミンB群はレバーから、ビタミンCはアセロラの実から、といったようにです。
本来、体はビタミンをほんの少量しか必要としていませんが、自分でつくることはほとんどできないために、すべては食物から摂取しなければならないのです。
ビタミンは、
- 炭水化物
- 脂肪
- タンパク質
- ミネラル
とともに、5 大栄養素の 1 つにあげられています。炭水化物や脂肪、タンパタ質の一部はおもにエネルギー源として、またタンパク質とミネラルの一部は、体の細胞を構成するための大事な栄養素として欠くことはできないものです。
これらに対し、ビタミンはミネラルとともに、体の中のさまざまな代謝作用をスムーズにすすめるうえで、必須の栄養素です。
つまり、ビタミンはほかの栄養素の働きを円滑に進めるための、潤滑油のような働きをしているといっても過言ではないでしょう。
潤滑油がないと車や機械では支障が生じますが、体もまた、ビタミンやミネラルが欠乏すると、体力、集中力、気力が損なわれ、酷くなれば病気になってしまいます。
ビタミンとミネラルは一体
ビタミンのほかにミネラルもほんの一部を除いて、体内で生成することはできません。
使われた分は、毎日こまめに補給する必要があります。この2つは相互に関連し、相補的に働いているからです。
たとえば、カルシウムはビタミンDがなければ吸収されませんし鉄は、ビタミンCによって吸収がよくなるとこれらはその典型です。
逆に、ビタミンがミネラルの助けを借りることがあります。たとえば、銅はビタミンCを活用するために必要だし、鉄はビタミンB群の代謝がスムーズに行われるようにするのに、なくてはならないものである、といったようにです。
このように、2 つは相互に関連し、相補的に働いています。ビタミンは、体になくてはならないものですが、ミネラルなしには、何もできないのです。
主要なビタミン
脂溶性ビタミン
- ビタミンA 視力を保ち、皮膚や粘膜を健康にする。細菌への抵抗力も増す
- ビタミンD カルシウムとリンの吸収を助け、骨の発育を正常にする。
- ビタミンE 細胞の酸化を防ぎ、過酸イ朋旨質ができるのを防ぐ。血管を広げ、血液の循環をよくする。
水溶性ビタミン
- ビタミンB1 炭水化物の代謝にかかわり、エネルギー化に必要。脳や手足の神経が正常に働くように作用。
- ビタミンB2 タンパク質、脂肪、炭水化物など、すべての栄養素の代謝にかかわる。皮膚や口内の粘膜の発育や保護を肋ける。
- ビタミンB6 タンパク質の代謝にかかわり、発育促進や生殖機能を活性化させる
- ビタミンB12 タンパク質の代謝にかかわり、葉酸とともに赤血球や核酸を合成する
- 葉酸 タ ンパ ク質や遺伝子、核酸 の合 成に働 くので、妊娠 中の胎児、乳幼児の成長を助ける。
- ナイアシン 炭水化物や脂肪の代謝にかかわり、皮膚や粘膜の発作作用を助ける。
- パントテン酸 炭水化物、脂質、タンパク質の代謝にかかわる。
- ビオチン タンパク質、脂質の代謝にかかわる。
- リポ酸 肝臓の代謝をよくし、薬物や蛇毒などの解毒作用をもつ。
- イノシトール 肝臓から脂肪を洗い流すように作用して、脂肪肝になることを防ぎ、胃腸の運動を正常にする。
- ビタミンC 血管や細胞と細胞の閤にあるコラーゲンをつくるときに必要。酸化を防ぎ、過酸イ朗旨質ができるのをおさえる。
- ビタミンK 血液を凝固させる。
この 15 種類のうち、脂溶性ビタミンは、過剰分が体内に蓄積され、過剰症となるケースがあります。その点、水溶性ビタミンの場合は、過剰分は腎臓から尿の中に排泄されますから、過剰症の心配はありません。
脂溶性と水溶性の特性
ビタミン類はその性質から、油脂に溶ける脂溶性と、水に溶ける水溶性の、2種類のタイプがありますが、脂溶性のビタミンは油といっしょにとると効果的で、ある程度は体内に蓄えることも可能です。
それに比べて、水溶性のビタミンは水分中に失われやすく、調理の際などは手早くすることが大切です。脂溶性のビタミンと違い、多量にとっても排泄されてしまうので、毎日の食事でこまめにとることが必要になってきます。