精神・神経の不安定とビタミン


ある大学の教授がおこなった、ビタミンB1欠乏症の研究があります。それによると、アルコール類を多く摂取したときに起こる精神の異常はビタミンB1の欠乏症から起こる障害で、中枢神経症状でいうと痴呆や妄想などの精神に関わるものであるのに対して、同じビタミンB1の欠乏でも、食事で不足した場合に起こる脚気(かっけ)のように、精神異常ではないものもあります。

アルコール以外にも、清涼飲料水の飲み過ぎやインスタント食品の食べ過ぎでも、ビタミンB1が欠乏します。これらの食品には糖質が多く含まれるのですが、それを分解するのにビタミンB1が欠かせないのです。

ビタミンB1の排出についてみてみると、例えば、成人男性が徹夜で麻雀をしたあとには、尿中に排出されるビタミンB1の量が通常の2倍に増えるというデータもあり、現代人の食生活の悪さのほか、生活リズムの乱れでも、体外にビタミンB群が排出され不足してしまうのに拍車がかかっています。

ビタミンB6の欠乏で音に過敏になる

日本人の食生活が欧米化し、肉をよく食べ野菜が不足しがちだったり、インスタント食品で手軽に済ませるような食事を続けていると、ビタミンB1やB6、ニコチン酸などが欠乏し、脳の中枢神経に大きな障害を与えることがわかっています。ビタミンB1が極端に不足することで、脳の神経細胞内での糖の代謝がうまくできなくなって、脳神経障害につながります。

また、ビタミンB6は体の中でアミノ酸を変化させて、脳神経にさまざまな刺激を送るセロトニンやガンマアミノ酪酸などの伝達物質を生成しているので、不足するとこれらの物質が合成されず、神経が過敏になります。動物を使った実験結果ですが、極端にビタミンB1やB6を欠乏させた場合、音に対する過敏症を引き起こすことがわかっています。

ビタミンB群の一種のニコチン酸も脳の働きに重要な作用をしていて、不足すると、不眠やめまい、幻聴、錯乱といった精神的変調を起こすこともあります。

私たちの周りにあるさまざまな音や光が物理的ストレスとなって、脳内のビタミンの過剰な消耗と食事からの栄養不足と合わさることで、家庭内暴力や精神錯乱を伴う犯罪に発展してしまう可能性があるのです。

活性酸素とビタミン

騒音というのが人間にとってとても大きなストレスになることは、誰もが経験しているでしょう。それでは、この騒音によって脳内にどのような変化が起こるのでしょうか。

これについての研究では、騒音によって脳のアンモニアや尿中のビタミンB1が増加すること、臓器中のビタミンB1が消耗することなどがわかっています。また、脳の神経伝達物質の合成や分解においても変化が起こります。持続的な神経の興奮によって、脳の中では有害な活性酸素が増えていきます。そして活性酸素が発生すると脳内に過酸化脂質がたまっていくのです。

過酸化脂質に対しては、ビタミンCなどの抗酸化作用のあるビタミンを日頃からじゅうぶんに摂取できていれば、脳内での発生をある程度抑えることができるといいます。

Comments are closed.