胃の働きと ビタミン

日本人は 胃の働き がいまひとつだという人が多数います。一般に 胃炎 といわれる病気は、食べ物を消化するために、胃壁から強い酸性の胃酸を分泌しています。

胃酸の正体はpH1~2の塩酸ですから、消化だけでなく細菌や微生物などを死滅させる殺菌の働きも担っています。こうした強い酸にさらされても胃が自己消化されないのは、粘液がバリアとなって粘膜を防御し、胃液が直接粘膜に触れないようにしているからです。また、胃粘膜は傷を修復する役割も持っています。

胃の働き
胃の働き

胃の働き を助ける 消化不良 を防ぐ食べ方

なんだか最近は胃もたれがして、大好きだったお肉がたくさん食べられなくなった・・・、こういったことは無いですか?フライや天ぷらがすすまない…ということもあるかもしれません。

若い頃は体力があり、気力もあって、おいしいものを食べることが何よりの楽しみだった、という人でも、歳をとれば胃のはたらきが悪くなります。それは、胃酸の分泌がとても減ってしまうからです。

こうして、胃酸が少ない状態を減酸症といい、胃酸がまったく無い状態を無酸症といいます。無酸症の割合は、20代の人で5パーセントほどだったのが、60代になると35パーセントにも及び、なんと7倍近くにも増加するといいます。

また、年齢を重ねて減少するのは胃酸だけではありません。タンパク質の分解酵素も減ってしまいます。肉類を食べ過ぎて消化不良を起こすのは、これが原因なのです。

そして、胃酸の分泌の低下は、タンパク質の消化力を低下させるだけでなく、ビタミンB群 の吸収や、鉄分、カルシウムなどのミネラルの吸収率もかなり悪くなります。

これらのビタミンや微量ミネラルが不足すると、新たに細胞ができる速度も衰えていってしまうので、なんとか胃酸をうまく分泌させる方法を考える必要があります。

例えば、梅干しを食べると血圧が上昇してしまうなどと悪くとられてしまうこともありますが、果肉の厚い柔らかな低塩の梅干しなら、食事の前にひとつ食べるだけで、胃酸の分泌はぐんと良くなります。

梅干しには、鉄分が多く含まれていることから、鉄分の吸収も良くなります。胃酸の分泌が良くなったところで食事をすれば、消化吸収や食欲までアップする、というわけです。

梅干しの栄養については クエン酸を含む梅干しは優れた健康食品 | 食材のプロフィール

また、おもしろいことに、ひとりきりで食事をすると胃酸の分泌が悪くなり、大勢で楽しく食べると胃酸の分泌が良くなって、おいしく食べられるといいます。

意外と知られていないことかもしれませんが、歳をとったら、水分の摂取量を控えめにしたほうが良いといわれます。

これは、ただでさえ年齢を重ねると良い睡眠がとれなくなるのに、水分の摂り過ぎで夜中に何度もトイレにたつことになる、また、水分によって胃酸が薄まり、結果的に栄養の吸収が悪くなるためだということです。

夜は胃を休める時間

私たちには体内時計というものが備えられていて、生活リズムが刻まれています。これは、副腎ホルモンや自律神経のはたらきによるものです。通常、太陽が昇り昼間の明るくて活動する時間には自律神経のうちの交感神経が優位になっていて、太陽が沈み夜の休息する時間には副交感神経が優位になります。

胃液やそのほかの消化液は、活動が活発な時間に多く分泌されるので、夜の遅い時間になってからの食事は、良くありません。消化の時間は食べたものや量によっても違ってきますが、睡眠にも影響します。寝る前3時間くらいは食べものを口にしないことです。

胃潰瘍には緑色の野菜を摂る

野菜類には繊維が多いため消化が悪い食品とされ、胃潰瘍がある人は野菜を食べないよう指導されることもあるかと思いますが、繊維自体が胃に留まっている時間は長くはないので、それほど気にしなくてもよいかもしれません。

野菜の中でも、ほうれん草や小松菜といった緑の濃い葉もの野菜や、にんじん、じゃがいも、キャベツなど消化が良い野菜が良いです。野菜に含まれるカリウムやビタミンには抗炎症作用があり、潰瘍の傷口を修復する良いはたらきをします。よく煮て柔らかくして食べたり、ジュースにして摂るのも良いです。

私は逆流性食道炎を麹(こうじ)で治した

現代女性に不足しているミネラル マグネシウム カリウム

不快な症状がある女性は、まず、 マグネシウム カリウム を摂取してみましょう。ミネラル不足はどういった症状を招くのでしょうか?

マグネシウムは女性のための最強ミネラル

PMS(月経前症候群)で心も体も調子が悪い、いつも疲れが取れにくい、便秘が続いている、こういった女性を悩ますさまざまな症状を改善するのに役立つのが、 マグネシウム です。

マグネシウム にがり
マグネシウム にがり

マグネシウム は現代人に一番不足しがちなミネラルだといわれていて、さまざまな不調の原因のひとつだと考えられています。
体を動かすために必要な300を超える代謝酵素にかかわっていて、生活習慣病を予防して、健康で長生きするために欠かせないマグネシウムが、体調を整える鍵を握っているのです。

マグネシウム の大きな効果には次の3つがあります。

  1. PMS(月経前症候群)や慢性的な疲労を緩和する
  2. インスリンの感受性を正常に保つ、血圧を下げる
  3. 代謝を上げ、ダイエットに役立つ

こうした大切な栄養素であるマグネシウムですが、日本人には慢性的にマグネシウムが不足しています。その原因は、昔と比べ欧米化した食生活にあります。

マグネシウム の補給で不調を改善

特に女性にとってうれしい効き目のあるマグネシウムですが、マグネシウム不足による体の不調を生じないためには、やはりマグネシウムを多く含む食材を食べるようにすること。緑黄色野菜や海藻類、玄米などを意識して摂取したいところです。しかし、忙しい現代人は外食も多く、食事だけでじゅうぶんな量を摂取するのは難しいでしょう。

マグネシウムが多く含まれる食材

マグネシウムは、藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類などに多く含まれています。
かりに多く摂取してしまっても心配いりません。過剰分は尿中に排泄されるので通常の食事では過剰症になることはありません。

しかし、腎機能が低下している場合には高マグネシウム血症が生じやすくなり、血圧低下、吐き気、心電図異常などの症状が現れます。

また、ダイエットや便秘などに効果があるといって摂取されている にがり (主成分は塩化マグネシウム)やサプリメントなど、通常の食事以外でマグネシウムを過剰に摂取すると、下痢を起こすことがあります。

一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品は以下のとおりです。海産物が主です。

  • あおさ
  • あおのり
  • 刻み昆布
  • カットわかめ

サプリメントなら カルシウム と一緒に摂る

カルシウム 牛乳
カルシウム 牛乳

サプリメントを利用するなら、どのくらいの量を摂ればよいのかというと、1日の目安量としては100~200 mg です。これを、2~3回に分け、食後に摂ると吸収が良くなります。

市販されている マグネシウム のサプリメントは、ほとんどが カルシウム と一緒になっています。

例えば、 カルシウム は マグネシウム が無いと骨をつくることができないように、 カルシウム と マグネシウム は協同で体内で働くことがその理由です。

マグネシウムは、一度にたくさん摂ると、人によっては便が緩くなることがあるので注意しましょう。そして、腎臓や心臓の病気がある人、また医師の処方した薬をのんでいる人は、医師と相談のうえ摂るようにしましょう。

マグネシウム の補給に便利な にがり

マグネシウム の補給には、サプリメントのほか、 にがり が便利です。海水から自然塩をつくる時に、塩を抜いた後に残る液体が にがり ですが、主成分の マグネシウム のほか、ミネラルをなんと80種以上も含むといわれています。
市販されている にがり は、液体がほとんどなので、サプリメントに比べ体内に吸収されやすいという利点があります。

ただし、 にがり は海水が原料なので、 マグネシウム のサプリメントと同様、塩分制限が必要な人は、ナトリウムの量が少ない にがり が最適です。

天海のにがり 日本人に不足のマグネシウム にがりで補う

ビタミン剤 について(選び方)

最近増えている ビタミン剤 。錠剤タイプのものからドリンク剤まで種類も豊富ですが、あくまで食品の補助としてとり入れるのが、より効果的といえます。基本は、食事に重点をおくことでビタミン剤も上手に活用できます。

ビタミン剤
ビタミン剤

ビタミン剤 は、天然と化学合成の2種類

非常にたくさん生産されている ビタミン剤ですが、ものによってはその原料が異なってきます。天然のものを原料としてつくられているものと、化学合成によってつくられているものとがあります。

以前は天然のものから作られていたようですが、最近になって技術の向上とともに、大量生産が可能になり、化学合成によってつくられるようになってきたのです。

その天然と化学の違いはさほどありません。ただし、ビタミンEは、質のよい天然ものが効果的といわれています。

食品の補助として活用

高価なビタミン剤を服用しているから体にいいというわけではありません。ビタミン剤は食品の補助的な役割として飲むようにしたほうがよいでしょう。

また、体がこれからどんどん成長する子どもがビタミン剤に頼るということは、決して望ましいとはいえません。

ビタミン剤 の選び方

ビタミン剤にもさまざまなタイプのものがあります。いちばん多いのは、錠剤のビタミン剤です。そのほかにも、ドリンク剤やカプセルになったものがあります。

これらは、同じ成分でも体への吸収率によって違いが出てきます。吸収率のよい順番は、ドリンク剤、顆粒、カプセル、錠剤の順になります。体への吸収が早いほど、その効きめも早くあらわれてきます。

すぐに疲れを取りたいときは、スポーツをする直前のときなどには、速効性を考慮してドリンク剤を服用するとよいでしょう。

表示に注意する

表示についても、注意しておく必要があります。ビタミンA、B、C は通称であって、それぞれ化学名というものを持っています。ビタミン剤によっては、その化学名で表示されている場合もありますから、化学名も覚えておくと便利でしょう。

ビタミン Q & A