基礎知識

ビタミン 不足した場合の症状

ビタミン 不足した場合の症状 ビタミンの必要性の大切さがよくわかります。現代人はビタミン不足が多く懸念されています。

不足した場合は健康を害するケースも ビタミン 不足した場合の症状

 

ビタミンが生活していく上で必須栄養素であることは、既に記載したとおりですが、もう少しビタミンについて詳しくお話したいと思います。
ビタミンとは、糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質およびその構成分であるアミノ酸以外の有機化合物で、人間や動物の食物の中にはぜひとも含まれていなければならないものです。もっともその必要量は、mgまたはその1000分の1ミクログラム、 またはガンマの単位であらわされるようなごくごく微量でよいのです。
しかしそのわずかな量が、不足したり欠乏したりすると、成長や発育が止まり、種々の健康上の障害、つまり欠乏症がおこってしまうのです。
なぜ、これらのビタミンをとらなければ健康を維持することができないのでしょうか。
成人男子の 1  日のビタミン所要量は B1 や B2 が1.3 mg  ニコチン酸が13mg 大量に必要なビタミンCでさえ65 mg です。このようなわずかな量のものが体の中できわめて重要な働きをするのです。

ビタミンはその必要量から考えてみれば、エネルギーの供給源としては問題になりません。( しかし、それが不足したり欠乏したりすると、種々の健康上の障害、すなわち欠乏症がおこってきます。

偏食、食生活のアンバランスがビタミン不足の原因

最近は、とくにビタミン不足について、またビタミンの効果について注目されています。

すでに述べてきたように、体が必要とするビタミンの量は、それほど多いものではありません。むしろごく微量なのです。
一般的に普通の食生活をしていれば、ある程度は満たされるはずです。しかし、それにもかかわらずビタミン不足が叫ばれるようになった背景には、飽食であるがゆえの、アンバランスな食事のあり方が関係しています。いったん習慣づいた食生活は、容易に変えることばできません。それがまた、ビタミン不足に拍車をかけているといえるでしょう。

ビタミン 不足した場合の症状

ビタミン 不足した場合の症状

加工食品の増加

日頃、手軽に利用しているインスタント食品、加工食品、甘味料の多い清涼飲料水などをとることが増えるにつれ、栄養面でどうしてもかたよってしまい、結果としてビタミンの摂取量が少なくなってしまいました。

日常的に購入するスーパーなどでは、ほとんどの人がカップ麺をカートに入れているのが目立ちます。平日の昼食などは、コンビニでカップ麺を持ったビジネスマンが列をつくっています。
しかも、こうした食品は糖分が多く、それをエネルギーに転化するためにはビタミンB1 が大量に使われることになります。摂取が少ないうえに使われる量が多いわけですから、どうしても不足してしまうことになります。

ビタミン不足を解消するには多品種・少量食べるのがポイント

食事の面からビタミン不足を解消するには、できるだけ多くの食品からバランスよくとるしかありません。
よく「1 日食品 30 品種」といわれますが、これを実行すれば、まず栄養にかたよりはおきないでしょう。
肉や魚、野菜、海藻類など、いつの間にか栄養のバランスがとれた食生活になっているはずです。もちろん、ビタミン不足も解消できます。

ビタミン不足とストレスの関係

ビタミンが不足しがちになるのは、こうした食事の面からだけではありません。もう 1 つの原因として考えられるのは、ストレスです。

現代社会は、「ストレス社会」といわれるほど、はたえずストレスを受けながら生活しています。通常、ストレスを受けると、それに対抗しょうとする態勢が準備されます。

このため、大量のビタミン、とくにビタミンB群とビタミンCが消費されることになるのです。こうした状態が続けば、やがてはビタミン不足で病気の原因にもなるのです。

現代人のストレス

ビタミン別 不足した際の症状例

  • ビタミンA 暗闇に目がなかなか慣れなかったり、眼球が乾いた感じのドライアイになる。抵抗力が低下し、風邪やそのほかの病気に感染しやすくなる。
  • ビタミンB1 食欲がなくなり、体がだるく、疲れやすくなる。いくら寝ても眠いといったようなけだるい感じが続く。糖質を多くとると、不足しがちになる。甘党派は、控える努力も必要。
  • ビタミンB2 皮膚に炎症がおきる。唇の角やまわりにブツブツができる。脂肪を多くとると、不足しがちになる。
  • ビタミンB6 食欲が減退し、食欲不振に。
  • ビタミンB12 悪性貧血や、長期にわたる神経障害をおこす。
  • 葉酸 悪性貧血をおこす。腸管粘膜に新しい細胞ができず、潰瘍になる。
  • ナイアシン 食欲不振や消化不良、下痢などの胃腸障害や、皮膚炎をおこす。
  • パントテン酸 頭痛や、皮膚炎をおこす。
  • ビオチン 筋肉痛や疲労感があらわれる。
  • リポ酸 肝 炎、肝硬変 、動脈硬化をおこす。
  • イノシトール コレステロールの流れが悪くなり、動脈硬化をおこす
  • ビタミンC 全身の倦怠感や食欲不振のほか、歯ぐきから出血しやすくなったりちょっとした打ち身であざができたりする。風邪にもかかりやすくなる。
  • ビタミンD イライラしたり、全身に倦怠感があらわれる。
  • ビタミンE ビタミンK 軽い欠乏症は、とくに症状はあらわれない。

ビタミン どのくらい必要か?

ビタミン どのくらい必要か?

6 種類のビタミンは所要量が決められている ビタミン どのくらい必要か?

ビタミン どのくらい必要か?

ビタミン どのくらい必要か?

所要量が決められているビタミンは、

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB1
  3. ビタミンB2
  4. ナイアシン
  5. ビタミンC
  6. ビタミンD

の 6 種類です。ここでいう所要量とは、欠乏症が出ない最低の量です。
この必要量に安全率をかけ、個人差を考慮して決められたのが、もので、食べ物の摂取の方法によっては、個人差が生じます。

バランスのとれた食事がポイント

1 つの食品にあるビタミンが多いとなると、それさえ食べていればよいと思いがちですが、食生活の基本はあくまでもバランスが大切です。

ビタミンの必要な量は、年齢、性別、その人の活動状況などによって違ってきますが、「 1 日食品 30 種」を目標にできるだけ多くの食品をとるようにすれば、それで十分に必要なビタミンをとることができます。

ビタミン所要量

男性

年齢(歳) 18~29 30~49
所要量 許容上限摂取量 所要量 許容上限摂取量
脂溶性ビタミン ビタミンA(μgRE) 600(2000IU) 1500(5000IU) 600(2000IU) 1500(5000IU)
ビタミンD(μg) 2.5(100IU) 50(2000IU) 2.5(100IU) 50(2000IU)
ビタミンE(mgαーTE) 10 600 10 600
ビタミンK(μg) 65 30000 65 30000
水溶性ビタミン ビタミンB1(mg) 1.1 1.1
ビタミンB2(mg) 1.2 1.2
ナイアシン(mgNE) 17 30 16 30
ビタミンB6(mg) 1.6 100 1.6 100
ビタミンB12(μg) 2.4 2.4
葉酸(μg) 200 1000 200 1000
ビオチン(μg) 30 30
パントテン酸(mg) 5 5
ビタミンC(mg) 100 100

 

女性

年齢(歳) 18~29 30~49 妊婦 授乳婦
所要量 許容上限摂取量 所要量 許容上限摂取量 付加量 付加量
脂溶性ビタミン ビタミンA(μgRE)※ 540
(1800IU)
1500
(5000IU)
540
(1800IU)
1500
(5000IU)
+60
(200IU)
+300
(1000IU)
ビタミンD(μg) 2.5
(100IU)
50
(2000IU)
2.5
(100IU
50
(2000IU
+5 +5
ビタミンE(mgαーTE)※ 8 600 8 600 +2 +3
ビタミンK(μg) 55 30000 55 30000 +0 +0
水溶性ビタミン ビタミンB1(mg) 0.8 0.8 +0.1 +0.3
ビタミンB2(mg) 1.0 1.0 +0.2 +0.3
ナイアシン(mgNE) 13 30 13 30 +2 +4
ビタミンB6(mg) 1.2 100 1.2 100 +0.5 +0.6
ビタミンB12(μg) 2.4 2.4 +0.2 +0.2
葉酸(μg) 200 1000 200 1000 +200 +80
ビオチン(μg) 30 30 +0 +5
パントテン酸(mg) 5 5 +1 +2
ビタミンC(mg) 100 100 +10 +40

ビタミン 摂りすぎの影響は?

ビタミン 摂りすぎの影響は? どういった害があるのでしょうか?ビタミンの過剰摂取による体への影響は、脂溶性と水溶性によって異なります。水溶性はおしっこで排泄されるので心配いりませんが、脂溶性は過剰症を起こしてしまうリスクがあります。

ビタミン 摂りすぎの影響は?

ビタミン 摂りすぎの影響は?

脂溶性ビタミンをとりすぎると過剰症になる ビタミン 摂りすぎの影響は?

ビタミンが不足すると、体にさまざまな障害がおこることはすでに記載しましたが、では、逆にとりすぎてしまった場合にはどのような影響があるのでしょうか。ビタミンの過剰摂取による体への影響は、脂溶性と水溶性によって異なります。
すでに記載したとおり、脂溶性ビタミンを過剰にとると、肝臓や体の組織に蓄えられます。蓄えられたビタミンは、摂取不足や体が必要とするときに使われるシステムになっていますが、とりすぎの状態が続くと、過剰症をおこしてしまいます。

ビタミンA ビタミンDの摂りすぎには注意

過剰症でとくに注意するのは、 ビタミンAビタミンD です。 ビタミンA  の過剰は、頭痛や吐き気、また、関節の痛みや発疹、肝臓肥大、食欲減退をおこしたり、女性の場合には、生理が止まったりすることもあります。

過剰摂取は成人にも有毒ですが、とくに幼児と子どもの場合は、症状が重くなる傾向が強いので特に注意します。

ビタミンD は、成人ならあまり問題はありませんか、乳幼児では臓器にカルシウムがたまりすぎることかあります。成人でも、過重量のカルシウムを吸収すると、これが腎臓に負担をかけ、この負担が強くなりすぎると腎臓が機能しなくなることもあります。

毒性の症状としては、下痢、頭痛、おう吐などがあらわれ、さらに過剰摂取が続くと ビタミンD が骨からの多量のカルシウムを奪ってしまい、体の中のやわらかい組織の中にもカルシウムが蓄積されることになります。

同じ脂溶性でも ビタミンE  の場合は摂取しすぎると吸収率が下がってしまいますから、それほど過剰症の心配はありません。ふだんの食事からビタミンをとっている場合には、過剰症の心配はありませんが、ビタミン剤などで大量にとり続けている人は注意しなければなりません。

水溶性ビタミンは摂りすぎても問題ない

一方、水溶性ビタミンは水に溶けやすいため、余分にとっても体内を素通りしてしまいます。つまり、尿によって排泄されてしまい、過剰摂取の心配はありません。

ただし ビタミンC をとりすぎた場合、余分なCを排泄するために腎臓に負担がかかりますので、それが長期にわたれば、何らかの障害が懸念されます。
さらに ビタミンC の場合は、とりすぎ状態が続いたあと、急にとらなくなると、ビタミンC 欠乏症になることもあります。とくに神経質になることはありませんが、ビタミン剤をつねに飲んでいる人は、医師の指示を受けておくことをおすすめします。