夏はビタミンCが多く失われる理由とその対策

ビタミンC  失われる

夏は ビタミンC  失われる理由とその対策について紹介します。夏にビタミンCが失われやすい主な理由は、紫外線による消費の増加と発汗による体外への排出です。強い日差しを浴びることで体内で発生する活性酸素を除去するために大量のビタミンCが消費され、また、汗とともに体外に排出されやすい水溶性の特性も影響します。

夏にビタミンCが失われる理由 ☀️

夏はビタミンCの消費が増えます。失われたビタミンCをしっっかり補うことが重要です。

1. 紫外線による消費の増加

夏は日差しが強く、紫外線量が増加します。紫外線は、体内で活性酸素を大量に発生させます。活性酸素は、細胞を傷つけ、老化を促進するなどの悪影響を及ぼす物質です。ビタミンCは、この活性酸素を除去する抗酸化作用が非常に高いため、紫外線による活性酸素の攻撃から体を守るために大量に消費されます。つまり、肌が紫外線を浴びれば浴びるほど、体内のビタミンCがどんどん使われてしまうのです。

2. 発汗による体外への排出

夏の暑さで汗をかく機会が増えます。ビタミンCは水溶性ビタミンであり、体内に蓄積されにくい性質があります。そのため、汗と共に体外へ排出されやすい特徴があります。大量の汗をかくことで、体内のビタミンCが失われやすくなります。

3. 食生活の変化(間接的な要因)

夏バテなどにより食欲が落ちたり、冷たいものばかりを摂取したりすることで、結果的にビタミンCを多く含む野菜や果物の摂取量が減る場合もあります。これは直接的な理由ではありませんが、ビタミンCの供給不足につながる可能性があります。

夏のビタミンC対策

失われやすい夏のビタミンCを効率的に補給し、健康を維持するためには、以下の対策が有効です。

1. 積極的にビタミンCを摂取する

  • 食品からの摂取:
    • 野菜: パプリカ(赤・黄)、ブロッコリー、ピーマン、ゴーヤ、トマト、じゃがいもなど
    • 果物: キウイフルーツ、いちご、レモン、グレープフルーツ、アセロラ、柿、メロンなど 特に旬の夏野菜や果物には、ビタミンCが豊富に含まれているものが多いです。これらを毎日の食事に取り入れましょう。加熱に弱い性質があるため、生で食べられるものは生で、加熱する場合は短時間で調理するのがおすすめです。
  • サプリメントの活用: 食事だけで十分な量を摂取するのが難しい場合は、サプリメントで補給することも有効です。ただし、過剰摂取は避けて、推奨量を守りましょう。

2. 抗酸化作用のある他の栄養素も同時に摂る

ビタミンCだけでなく、ビタミンE(ナッツ、植物油など)、β-カロテン(緑黄色野菜など)、ポリフェノール(ベリー類、お茶など)などの他の抗酸化物質も一緒に摂取することで、相乗効果が期待できます。

3. 紫外線対策を徹底する

日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、日傘をさす、UVカット機能のある衣類を着用するなど、物理的な紫外線対策をしっかり行うことで、ビタミンCの消費量を抑えられます。

4. こまめな水分補給とバランスの取れた食事

汗で失われた水分を補給するとともに、電解質も意識して摂取しましょう。また、夏バテに負けないよう、バランスの取れた食事を心がけることが、ビタミンCを含む様々な栄養素の吸収・利用に繋がります。

これらの対策を講じることで、夏の暑さや紫外線に負けない、健康な体づくりを目指しましょう。

ビタミンC 不足 するときのサイン

ビタミンCは様々な体の機能に関わっているため、不足すると多岐にわたるサインが現れます。特に不足が続くと、重度の欠乏症である「壊血病(かいけつびょう)」に至ることもあります。

以下に、ビタミンCが不足している可能性を示す一般的なサインを挙げます。

1. 疲れやすさ・倦怠感

  • 疲労感、だるさ: ビタミンCはエネルギー代謝にも関与しているため、不足すると体がだるく、疲れやすくなります。
  • 集中力の低下: 疲労感とともに、集中力が持続しにくくなることがあります。

2. 口腔内のトラブル

  • 歯ぐきの腫れや出血: ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠であり、コラーゲンは歯ぐきなどの結合組織を強く保つ役割があります。不足すると歯ぐきが弱くなり、腫れたり、歯磨きなどで簡単に出血しやすくなります。
  • 歯がぐらつく、抜けやすい: 歯を支える結合組織も弱くなるため、進行すると歯がぐらつき、抜け落ちる可能性もあります。

3. 皮膚・毛髪のトラブル

  • あざができやすい(点状出血、紫斑): 血管壁を強く保つコラーゲンが不足すると、血管がもろくなり、少しの衝撃でも皮膚の下で内出血を起こしやすくなります。点状出血(小さい赤い点々)や青あざができやすくなるのが特徴です。
  • 傷の治りが遅い: コラーゲンは傷の治癒にも重要な役割を果たすため、ビタミンC不足だと傷がなかなか治らなかったり、傷口が開きやすくなったりします。
  • 皮膚の乾燥、荒れ、うろこ状になる: 健康な皮膚の維持にもビタミンCは関わっています。不足すると肌が乾燥し、きめが粗くなり、荒れたり、うろこ状になったりすることがあります。
  • 毛髪の乾燥やねじれ、抜け毛: 毛髪の健康にも関与しており、乾燥したり、らせん状にねじれたり、もろくなったりする場合があります。

4. 精神的な症状

  • イライラ、気分が落ち込む(抑うつ): ビタミンCは神経伝達物質の合成にも関わるため、不足すると精神的に不安定になりやすく、イライラしたり、気分が落ち込んだりすることがあります。

5. その他の症状

  • 関節痛・筋肉痛: 結合組織の異常により、関節や筋肉に痛みを伴うことがあります。
  • 貧血: ビタミンCは鉄の吸収を助ける働きがあるため、不足すると鉄欠乏性貧血を引き起こしやすくなります。
  • 食欲不振、体重減少: 全身のだるさや不調から、食欲が落ち、結果的に体重が減少することもあります。
  • 感染症にかかりやすい、治りにくい: 免疫機能にも関与しているため、不足すると風邪などの感染症にかかりやすくなったり、治りにくくなったりすることがあります。

これらのサインは、他の病気の症状である可能性もあるため、気になる症状がある場合は自己判断せずに、必ず医療機関を受診し、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。

 

ビタミンCをしっかり食事で摂りたい

ビタミンの大切な役割

ビタミンの大切な役割 を紹介します。ビタミンはほかの栄養素の働きを円滑に進めるための、潤滑油のような働きをしているといっても過言ではないでしょう。

体の潤滑油の役割を果たす ビタミンの大切な役割

ビタミンの大切な役割

ビタミンの大切な役割

ビタミンは植物や動物によってつくられる自然の物質で、その働きは、一言で言えば、体の中で調節の役目をつとめるものです。

多くのビタミンは人工的に合成することも可能ですが、ほとんどは自然の食品から抽出されます。たとえば、ビタミンAは、魚の肝油から、ビタミンB群はレバーから、ビタミンCはアセロラの実から、といったようにです。

本来、体はビタミンをほんの少量しか必要としていませんが、自分でつくることはほとんどできないために、すべては食物から摂取しなければならないのです。

ビタミンは、

  • 炭水化物
  • 脂肪
  • タンパク質
  • ミネラル

 

とともに、5 大栄養素の 1  つにあげられています。炭水化物や脂肪、タンパタ質の一部はおもにエネルギー源として、またタンパク質とミネラルの一部は、体の細胞を構成するための大事な栄養素として欠くことはできないものです。

これらに対し、ビタミンはミネラルとともに、体の中のさまざまな代謝作用をスムーズにすすめるうえで、必須の栄養素です。

つまり、ビタミンはほかの栄養素の働きを円滑に進めるための、潤滑油のような働きをしているといっても過言ではないでしょう。
潤滑油がないと車や機械では支障が生じますが、体もまた、ビタミンやミネラルが欠乏すると、体力、集中力、気力が損なわれ、酷くなれば病気になってしまいます。

ビタミンとミネラルは一体

ビタミンのほかにミネラルもほんの一部を除いて、体内で生成することはできません。

使われた分は、毎日こまめに補給する必要があります。この2つは相互に関連し、相補的に働いているからです。

たとえば、カルシウムはビタミンDがなければ吸収されませんし鉄は、ビタミンCによって吸収がよくなるとこれらはその典型です。

逆に、ビタミンがミネラルの助けを借りることがあります。たとえば、銅はビタミンCを活用するために必要だし、鉄はビタミンB群の代謝がスムーズに行われるようにするのに、なくてはならないものである、といったようにです。

このように、2 つは相互に関連し、相補的に働いています。ビタミンは、体になくてはならないものですが、ミネラルなしには、何もできないのです。

主要なビタミン

脂溶性ビタミン

  • ビタミンA 視力を保ち、皮膚や粘膜を健康にする。細菌への抵抗力も増す
  • ビタミンD カルシウムとリンの吸収を助け、骨の発育を正常にする。
  • ビタミンE 細胞の酸化を防ぎ、過酸イ朋旨質ができるのを防ぐ。血管を広げ、血液の循環をよくする。

水溶性ビタミン

  • ビタミンB1 炭水化物の代謝にかかわり、エネルギー化に必要。脳や手足の神経が正常に働くように作用。
  • ビタミンB2 タンパク質、脂肪、炭水化物など、すべての栄養素の代謝にかかわる。皮膚や口内の粘膜の発育や保護を肋ける。
  • ビタミンB6 タンパク質の代謝にかかわり、発育促進や生殖機能を活性化させる
  • ビタミンB12 タンパク質の代謝にかかわり、葉酸とともに赤血球や核酸を合成する
  • 葉酸 タ ンパ ク質や遺伝子、核酸 の合 成に働 くので、妊娠 中の胎児、乳幼児の成長を助ける。
  • ナイアシン 炭水化物や脂肪の代謝にかかわり、皮膚や粘膜の発作作用を助ける。
  • パントテン酸 炭水化物、脂質、タンパク質の代謝にかかわる。
  • ビオチン タンパク質、脂質の代謝にかかわる。
  • リポ酸 肝臓の代謝をよくし、薬物や蛇毒などの解毒作用をもつ。
  • イノシトール 肝臓から脂肪を洗い流すように作用して、脂肪肝になることを防ぎ、胃腸の運動を正常にする。
  • ビタミンC 血管や細胞と細胞の閤にあるコラーゲンをつくるときに必要。酸化を防ぎ、過酸イ朗旨質ができるのをおさえる。
  • ビタミンK 血液を凝固させる。

この 15 種類のうち、脂溶性ビタミンは、過剰分が体内に蓄積され、過剰症となるケースがあります。その点、水溶性ビタミンの場合は、過剰分は腎臓から尿の中に排泄されますから、過剰症の心配はありません。

脂溶性と水溶性の特性

ビタミン類はその性質から、油脂に溶ける脂溶性と、水に溶ける水溶性の、2種類のタイプがありますが、脂溶性のビタミンは油といっしょにとると効果的で、ある程度は体内に蓄えることも可能です。

それに比べて、水溶性のビタミンは水分中に失われやすく、調理の際などは手早くすることが大切です。脂溶性のビタミンと違い、多量にとっても排泄されてしまうので、毎日の食事でこまめにとることが必要になってきます。

間違ったビタミンの知識を正して、正しい知識を

間違ったビタミンの知識を正して、正しい知識を 上書きしましょう。体に不可欠なビタミンですが、誤った情報も氾濫してしまっています。正しい知識を持たないと逆効果になってしまうケースもあるので注意します。

間違ったビタミンの知識を正して、正しい知識を

間違ったビタミンの知識を正して、正しい知識を

煮たり火を通すと効果がなくなってしまうの?

ビタミンに限らず、たいていの栄養素は煮料理をすると破壊されます。とくにビタミンB群やCのような水溶性ビタミンは、もっとも失われやすい性質を持ちます。

だからといって、破壊されて効力がすべて落ちるというわけではありません。普通は煮汁の中に溶け出していますから、その煮出し汁をとっておいて別の料理に使うようにすれば、すべてがむだになるということはありません。
また、ビタミンは、調理中にも損なわれます。つまり、調理の時間が長ければ長いだけ損失量は多くなるので、水洗いをはじめ、料理法そのものをできるだけ短くするように、工夫してみましょう。

天然のビタミンと合成のビタミンはどう違う?

よく、天然のビタミンと合成のそれには差があるのではないかと思われがちですが、基本的には同じものです。天然のビタミンは、食生活を通して体内に入ってきます。
実験室や研究室でつくられたビタミンが、天然のものよりも効果がうすいかといえば、決してそのようなことはありません。
栄養補助剤としてのビタミンで問題なのは、飲みやすくするための合成乳化剤やサッカリン、人工着色剤やその他の添加物などが含まれているからです。ただし、「天然のみ」とラベルに表示してあるものには、こうしたものは含まれていません。

ビタミン剤はどのくらいの期間、保存できる

多くのビタミン剤が出まわっています。ものによって多少の差はありますが、普通は 4 ~ 5  年もつといわれています。

たいていの商品には、有効期限の表示があります。期限の過ぎたビタミン剤を飲むことは危険ではありませんが、効きめについてはあまり期待できないと考えてよいでしょう。
それに、あまり長い間保存できるものではないので、色や味、においなどに変化があれば、思いきって捨ててしまうほうが無難です。
また、ビタミンの保存は低温が原則です。そのためには、冷蔵庫で保存するようにしましょう。

多量のビタミン摂取は危険?

ビタミンの種類によっては、多くとりすぎたための過剰症の心配があるものもあります。とくに、ビタミンADは、過剰症が出やすいものです。

これは、両方とも肝臓にためることができるため、余分な量がたまりやすく、過剰になると体に育となってあらわれることがあるからです。症状としては、手足のしびれや脱毛などさまざまなものがあります。ビタミンADを補給する必要がある人は、過剰症について、医師のアドバイスを受けておいたほうが安心です。

ビタミンA がガンを予防するというのは本当?

ビタミンAの持つ、粘膜を正常に保つ働きが、ガン細胞に有効に作用するのではないかといわれています。

あくまでも結果ですが、最近の研究で、ビタミンAやカロチンを豊富に含む食物を食べている人にはガンが少ない、という報告があります。

カロチンは黄色の色素で、体内に入ってから ビタミンA に変わります。食物は、ニンジン、サツマイモ、冬カボチャなどの、橙色と黄色の中間色の色を持つものです。もちろん、カロチンは緑色野菜にも含まれていますが、野菜の持つ独特の葉緑素に、その色は隠されています。ビタミンA が確実にガンを予防するかどうかは、今後の研究に期待されるところですが、あとでくわしく述べる過剰症との関係もあって、はっきり断定はできないというのが現状です。

    • 食事によってガンを防ぐ、抑制するというサイト「

ガンの予防対策と増殖抑制作用を高める

ビタミンD は、日光に当たることで体内に取り込めるというが?

太陽光線中の紫外線が皮膚を通して、食品に含まれるビタミンD前駆体をビタミンDに代えるといわれていますが、これですべてがまかなえるわけではありません。
日常生活では、長時間太陽光線に当たつていられる人は、少ないでしょう。また、年齢とともに、皮膚がビタミンDをとる時間はどうしても少なくなります。そこで、やはり直接食品に含まれるビタミンDを摂取する必要があります。簡単な方法としては、ビタミンD強化牛乳や、乳製品を多めにとるとよいでしょう。

ビタミンDの過剰摂取は危険

栄養所要量によれば、大人1日あたりのビタミンD所要量は、5 μg ということになっています。これは普通 200 IU として示されています。カルシウムの代謝に欠かせないビタミンDですが、ビタミンDのとりすぎが危険なのは、腎臓にカルシウムがたまりすぎると毒性をあらわし、危険な状態になることがあるからです。
ふだんの食事や日光によるビタミンDの場合、まずこのような心配はありませんが、治療のために多量のビタミンDを補給したり、ビタミン剤を服用する際などは、注意する必要があるでしょう。

総合ビタミン剤などは、内容表示に十分注意し、1日の適量以上は服用しないようにしましょう。

ビタミンE の老化防止作用について

ここ数年、一部でビタミンE 信奉がいわれるようになりました。ここではっきりさせておきたいのは、ビタミンE は決してすべての病気に役立つものではないということです。「驚異の栄養素」というイメージからくる誤解です。

ただし、ビタミンE そのものは更年期障害や体の酸化を防ぐことから、老化を防ぐ作用があることは事実です。問題なのは、老化に役立つと信じ、ビタミンEにだけ頼ることです。老化は、あくまでも心身におけるあらゆる機能の総体的な低下です。ビタミンE剤だけに頼るのではなく、あくまでも食品からとることを心がけましょう。

ビタミンの基礎知識